来年4月、日本公開予定の映画「レヴェナント・蘇えりし者」の作曲を担当した坂本龍一(63)が、アメリカでも権威の高いゴールデングローブ賞の最優秀作曲賞にノミネートされました。
ゴールデングローブ賞はアメリカ国内の映画とテレビドラマから選出される賞で、ハリウッド外国人映画記者協会の投票によってノミネート。
その「レヴェナント・蘇えりし者」は、レオナルド・ディカプリオ扮するヒュー・グラスが狩猟中に熊に喉を引き裂かれるが、同行していた仲間に置き去りにされてしまう。
なんとか生き延びたグラスは、自分を見捨てた仲間に復讐を果たそうと大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。
坂本龍一は以前にも、1987年のラストエンペラーと1987年のシェルタリング・スカイで同賞を受賞。今回の受賞が決まれば自身3度目の受賞となる。また、ご存知ラストエンペラーではアカデミー賞音楽賞も受賞しています。
ハリウッドの映画界でも一目置かれる坂本龍一氏。
しかし音楽の世界で食べていけるようになったのは、ただの偶然なんだそうで、両親が音楽の世界にいたわけでもなく、また特別な英才教育を受けたわけでもなかったんです。
中学生の時にピアノは習っていましたが、バスケットボールをやりたくて一時期ピアノから離れてしまう事に。
この辺りは周りと同じごく普通の思春期の少年だったんですね。
しかしそれから半年後、彼の胸にはポッカリと穴が空いたような寂しさが。 始めはその寂しさが何なのか分かりませんでしたが、やがて音楽から離れたせいであると気づく龍一少年。
そして自らピアノを習っていた先生の元に戻り、半年くらい毎日毎日同じ楽譜を見ては音作りを真似し始めていました。
その後は東京藝術大学作曲学科で音楽を学んだ坂本氏。
しかし以外にもピアノを弾くレベルはあまり高くありませんでした。
歌が上手いから良い曲を作れる訳では無いのと同様、ピアノを弾くレベルが高いから良い曲を作れる訳ではないんです。ちなみに同じ作曲学科を卒業した著名人に、機動戦士ガンダムシリーズの曲を作曲した三枝成彰氏がいます。
大学時代には既に結婚。 生活の為に地下鉄工事の肉体労働をするも、3日で首に。代わりに酒場でピアノ弾きのバイトを始め、音楽での初めての収入を手にします。
しかしそれが本人にとっては大切な音楽で安易にお金を稼いだ事が、後々のトラウマになってしまうことに。。。
1978年にはその後の日本音楽会を一世風靡することになるYMOの音楽ユニットを結成。 初期のメンバーには細野晴臣や高橋幸宏が加わるなど、今思えばとてつもないメンバーが揃ったユニットでした。
そして1983年、彼に運命的な転機が訪れます。
大島渚監督作品の映画、「戦場のクリスマス」に役者としてオファーが舞い込み、この時坂本は出演の条件として音楽担当を申しでて、楽曲を提供することに。
そしてこの作品がカンヌ国際映画祭に出品され、のちに制作される『ラストエンペラー』の映画監督ベルナルド・ベルトルッチと出会う運命となったんですね。
その後は、『ブラック・レイン』、『リトル・ブッダ』、『バベル』など数々のハリウッド映画に曲を提供。
現在は中咽頭癌との闘病生活を続けながらの作曲活動を続けています。
第73回ゴールデングローブ賞授賞式は来年1月10日開催予定。
放送はAXNテレビ(スカパーやJCOM)で1月11日(月)夜9時放送予定です。
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