近年のペットブームにより、人間にとって身近な犬や猫を飼う人が毎年右肩上がりで増えている中、生まれて間もない子犬や子猫をビジネスとして高値で販売する業者に対して少しずつ世間の目は厳しくなってきているようです。
近年ではインターネット上で販売する業者がも現れるなど、新しいビジネススタイルが出てきておりますが、残念なことに『届いた時には死亡していた』といった問題も報告されており、一部のテレビや雑誌等ではようやく問題提起されるようになってきました。
ペットを購入する際の問題は大きく取り上げられている一方、毎年何万頭にも及ぶ犬や猫が殺処分されている事は、殆ど取り上げられることはありません。
2014年(平成26年)、環境省が発表した犬・猫の殺処分の統計数を見てみると、犬は21,593匹。
猫は79,745匹で合計101,338匹となっており、2013年と比べてみると2,6797匹少なくなっています。
また、下記のグラフにも現れていますが、犬・猫の殺処分数は毎年減少傾向にあるようです。
一見喜ばしいようにも見えるこの統計数ですが、その一方、約半数にあたる50,635匹もの数は、離乳もしていない子犬や子猫であるという恐ろしい実態があるのです。
離乳もしていない子犬や子猫が多い主な理由は、飼っていたペットが出産したけれども、一度に5匹や6匹などたくさん産んでしまうので養う余裕がないのです。
成体の場合、飼い主のアレルギーや噛み癖、吠えてうるさい、ペット業者の持込みなど、その理由は多岐にわたります。
結果、各地域の保健所や動物愛護センターに持ち込まれ、運が良ければ里親に引き取られますが、その殆どが殺処分という悲しい運命を待つことになるのです。
殺処分の方法や手段とは?
現在の日本では、その殆どは炭酸ガスによる窒息死での殺処分を行っています。
この話を聞いた時の私は『痛みのない安楽死』だと想像していたのですが、実情はそれとはかけ離れた恐ろしいものでした。
私は化学工場で働いていたので、乙4の危険物取り扱い免許を取得しています。
常温でも火が点いてしまう可燃性の高い個体や液体を取り扱う工場では、この免許は自身の命を守るためにも必ず必要な免許なのです。
そのため、工場内で取り扱う装置の酸素濃度は常に厳重に管理されています。
空気中の酸素濃度は約21%。
酸素濃度が一定以下になると火は点きません。
いわゆる燃焼の三要素の『燃えるもの』・『酸素供給源』・『点火源』、このどれか一つでも失くなると火は発生しないのです。
話はそれましたが、もし酸素濃度が3%しかない場合、脳に酸素が行き渡らず、痛みもなく一瞬にして死に至ります
てっきり私はそうやって犬・猫の殺傷処分をしているのかと思ったのですが、実際は全く違うものでした。
窒息死させる設備は、通称ドリームボックスなどと呼ばれ、ドアが閉まると『シューー』という音と共にゆっくりと炭酸ガスが吹きこまれるのです。
ゆっくりと酸素濃度が下がっていくため、犬たちは叫び悶え、苦しみながら次々と倒れて死に至ります。
下記に酸素濃度率により、どんな症状が発生するのかをまとめてみました。
酸素濃度16%: 呼吸脈拍増、頭痛悪心、はきけ、集中力の低下
酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、はきけ、体温上昇
酸素濃度10%: 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
酸素濃度 8%: 昏睡
酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止
このようにゆっくりと殺処分が行われる理由は、安楽死設備を導入するには億単位のコストがかかってしまうのです。
また、死体を焼却するための設備費や燃料費、そして人件費などを併せると、痛みのない安楽死をさせる為の金銭的余裕がないのです。
一部の地域では麻酔注射で1頭ずつ安楽死させる方法を取り入れている自治体もありますが、殆どの自治体では炭酸ガスの手段を用いています。
麻酔注射はコストのハードルが高過ぎるため、殺傷処分の数を限りなくゼロにする方法が急務。
環境省では殺傷処分ゼロにするべくプロジェクトを立ち上げていますが、私達一人一人とメディアが積極的に取り組むべき課題ではないでしょうか。
清原和博の保釈金はいくら?裁判の判決はいつ?過去逮捕の芸能人例
この記事へのコメントはありません。