金融庁がまたぞろ不可解な規制緩和を発表した。
報道によると、スーパーなどのレジでもキャッシュカードを利用して、口座から預金を引き出せるよう規制を緩和するらしく、みずほ銀行は2017年よりサービス開始の準備をしている。
だが、今のところJ-Debit(ジェイデビット)のみの話だ。
「怪しい。。。(ΦωΦ)」
利用者はお金を引き出したい時にお店に行き、レジの店員に金額を指定して、ボタンで暗証番号を入力するだけ。
そうするとレジの店員から現金を受け取る事ができるようになる。
どうやらATMがない店のレジや、宅配業者が持つ端末でも現金を引き出せるようにして、利便性を高めるのが狙いらしい。
「ますます怪しい。。。(ΦωΦ)」
「もともと現金を持ち運ぶ手間や、危険性をなくすために生まれたデビットだったのでは?」
みずほ銀行のホームページでは下記の謳い文句で宣伝している。
- ATMで現金を引き出す手間が省けてベンリ!使い方もカンタン!
- ご利用と同時に口座から即時引き落し!ご利用履歴が通帳に記載されるので家計管理もラクチン!
利用者の手数料は無料になる見通しで、全国1100以上の金融機関が扱い、キャッシュカードで買い物ができるJ-Debit(ジェイデビット)に対応していれば、どの銀行のカードでも使える。
「ねっ、怪しいでしょう。。。(ΦωΦ)」
Debit(デビット)カードをご存じない方に。
デビットカードとは、銀行のキャッシュカードに追加として申し込みが出来るサービス。
現金を持ちあわせていなくても、デビットに加入しているキャッシュカードをレジで提示すれば支払いが出来るのです。
支払いは1回払いのみ。 利用と同時に銀行の口座からお金が引き落とされます。
即ち、銀行口座に残高がないと利用が出来ないシステムなのです。
VISASやマスターカードなどのクレジットカードは、翌月や翌々月に引き落とされるので、口座に残高がなくても利用が可能。
本当に緊急の時はクレジットカードが役に立ちます。
ここまでこの記事を読んで、「怪しい」と思った方は、歳をとってもオレオレや年金詐欺には騙され無いでしょう。
先ほども記述したように、デビットは現金を持ち運ぶ手間や、危険性をなくすために生まれたサービスです。
既に時代の流れは電子マネー。
スイカ、パスモ、WAONなどなど新しいサービスが次々と生まれてきているこの流れに逆らうかのような金融庁の発表は不可解。
しかも他社でもデビットサービスがあるのに(VISAデビット、JSBデビットなど)、今回はJ-デビットだけ。
独占禁止法の抵触もありえます。 しかし、今回の発表後に他のデビットへの参入も認めるでしょう。
ただし、そこはお役所仕事。新規参入には手続きが必要。 申請が認可されるまで長期間を要し、システムの構築をしている間にJ-デビットが相当数の市場シェアを獲得し、他社が参入出来る余地は極めて少なくなる。
「なぜ突然J-デビットだけ規制緩和なんですかねーーー」
「しかも2017年まで後2年足らずなのに、システム構築が間に合うなんて凄いですねーー」
下記の図はJ-Debit(日本デビットカード推進協議会)の組織図です(クリックで拡大可能)。
ポイントカードをマイナンバーカードに一本化のメリットとデメリット
これを見ると、J-Debitは日本電子決済推進機構の組織体制の中にあることが分かります。 「そしてこの組織の役員は。。。」
- 会長理事:株式会社NTTデータ
- 副会長・理事:日本郵政公社、株式会社みずほ銀行、株式会社ジェイティービー
- 常任理事:株式会社NTTデータ
そういう訳なんです。 金融庁と企業の完全なる癒着なんです。
理事にはその他金融機関や大手企業が並んでいますが、システム構築のノウハウを持っているのはNTTデータのみ。
全国のスーパーに導入するとなると、巨額な費用が必要となります。
現金引き出しの利便性向上を謳い文句にしているが、スーパーまで行くのと、ATMへ行くのにはなにが違うのでしょう?
田舎になればなるほど、車を利用するので全く意味は無いはず。
それに、宅配業者が持つ端末で引き出しなんて、業者が来るまでずっと待つ人はいるの?
たとえ利用しても、家に現金を置いていてどうするんでしょう。 宅配業者だって多額の現金を持ち運びたく無いはず。
宅配業者にとってのメリットは、着払いの精算ですが、現金を持ち運ぶリスクの方が高すぎる。
結局J-デビットのシェア率を上げたい日本電子決済推進機構と、システム構築でおいしい話が来るNTTデータと、そこから発生する何らかの利益を金融庁が欲しいだけ。
悲しいかな、このサービスで潤うのは一部の企業のみであった。
韓国外務省報道官、慰安婦白書を予定通り発刊。合意とは無関係の発表に驚くことはない。
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